インタビュー #11

アオヤギさん

美しく繊細、情景豊かな表現で人気を集め、そして「その劇場の名は」では脚本だけでなく共催として企画制作にもご尽力くださったアオヤギさんへ、作品づくりやこだわり、そして企画全体の印象について伺いました。

このインタビューの未公開シーンも収録されたその劇ラジオ#6も合わせてお聞き下さい!
https://u8kv3.app.goo.gl/ueqLg

るい(以下る):私が「その劇場の名は」の元というか「”記憶”をテーマにした声劇企画をやりたいんだよね」と、 アオヤギくんに突発的に連絡したのがもう秋口、10月ぐらいだったよね。

アオヤギさん(以下ア):そうだね、うん。そっか、10月か。もう半年近く経つね。
 

る:結構長い時間アオヤギくんとこの企画をやっていて、企画立案の部分から関わってくれています。

まず連絡をもらった際、どんな印象を持ったのか、なんで企画に参加してくれたのかを率直に教えてください。

ア:そうですね。るいとは結構他の企画でも関わりが去年からあって、秋に「声劇企画をやりたいんだ」というお話をいただいて、自分自身元々声劇をやってきてはいるものの、音楽に本腰で力をいれている人と何かを始めるというか、企画をやらせてもらうことはなかったこともあり、実は音楽をやっている人との制作に対してちょっと抵抗があったのよ。
 

る:そうなんだ!

ア:声劇は音楽とセットで楽しめるものの、 声を音楽の上に乗せることが結構シビアなところで。
 

る:そうだね、難しい。
 

ア:だから、お話をもらってるいと一緒に共催という立場で作品作りができることが魅力的だなとも思ったし、るいが企画制作をしている「紡ぐ僕ら」シリーズで表現してきたドラマテイストが多分この企画にもある要素だと思って、自分の肌にもきっと合っているし、「なんかやってみたいな」と率直な好奇心から引き受けさせてもらった覚えがあります。
 

る:ありがとうございます。

アオヤギくんとは2023年の#S24Hという企画の前後に知り合って、すごく素敵な作品を書く人だなと思っていた時に「夏紡ぐ僕ら」に参加していただいて、その後も「月が綺麗ですね」や「Frozen Film」でご一緒させていただく機会はあったものの、お互い企画に参加する立場だったじゃないですか。

なのでこの企画を一緒に作っていくという部分で、何度か通話で会議させていただいたり。主要なキャスティングも2人で選んだのが遠い前のようだよね。
 

ア:遠い前だからね(笑)

る:そうだね(笑)

実際にキャストが決まって読み合わせをし(ラジオ収録時)絶賛制作中でしたが、今回の脚本作品のタイトルを教えていただけますか? 

ア:タイトルは「柔く光る」という作品です。
 

る:既にもう早く見たいよね、タイトルだけで(笑)
 

ア:見たい、なんだ(笑) 聞きたいじゃなくて。 

 

る:見たいし聞きたい!(笑)

ア:今回のテーマが「記憶」だから、頭の中にその映像が浮かぶようなそんな作品になっているね。 

 

る:本当に。収録している今、編集のひなたさんから音源が上がってきていますが、ズバリどんな物語か、簡単にご紹介できる範囲でお話いただけますか。
 

ア:率直に作品ジャンルで言えば、「恋愛ドラマ」を描いてるんですけど、テーマが記憶なので、 恋愛って具体的な形とかってなくて、こう、ぼんやりとしているものというか、その人の記憶とか経験で形が全然違うと思うんですよ。 

ただ共通して感じている不安であったりとか、期待感であったりとか、ときめきという根本的なところはみんな変わらなくて、みんなそれぞれが感じているような、そういう感情の動きを感じられる作品っていうのかなあと。 

だから、タイトルの「柔く光る」というのも、ちょっとぼんやりとしているような、情景というより、恋愛というものがそういうぼんやりと柔く光るものなんじゃないかっていうイメージで、こういうタイトルもつけさせてもらいました。 

みんなの記憶の中にある恋愛の表情を描いた作品になっています。

「柔く光る」は唖さんと咳き込んだチャパ王さんがメインキャストです。
読み合わせと収録の中でメインの2人や制作全体の中で感じたことや印象的だったことがあれば教えてください。

ア:そうですね。 このキャスティングも、元々やってみたいなと思っていた方に声を掛けたというか、見てみたいなと感じていた方々をお呼びしたところもあって、書いた作品は元から2人に合っているような感じで書いていました。 

それで、読み合わせをしても、やっぱりこういうキャラクターがハマるんだというような、二人がすごく向き合ってくれる方々だったので、ディレクションしながら「もうちょっとこうしよう」とか、色々こだわりを詰め込んでもらったという印象はあります。 

そこから2人の声が出てきて、 編集のひなたさんと表現を詰めていきました。

私の場合は頭の中にある映像を基準に作品の表現方法を変えていくのですが、ひなたさんが幅広いというか、自分が「こうしてみたらどうか」と提示したことに対して、大体「ええ感じにやっときますね」と言ってくださいました。 

自分の中にある印象というか、やりたいことに寄り添ってもらえてつくれたので、早く皆さんに聞いていただきたいなと思っています。

る:実際に私も読み合わせに立ち会わせていただいたのですが、 唖ちゃんもチャパくんも「ここはどうでしょうか」「ここ、なんかちょっとしっくりこなくて」という気になる部分や意見・状況をストレートに伝えてくれるからこそ、アオヤギくんはじめみんなで一緒に考えたりして作品づくりを一緒にやっていたなという印象が強いチームです。
楽しかったよね、読み合わせ!
 

ア:いや、楽しかった。結構楽しかった(笑) 

あまり大きく言えないですけど、車の中のシーンが結構多くて。
だからこそ、聞こえる環境音を相談したり、環境音が決まったうえでセリフを追加したり、「こうしよう、ああしよう」と読み合わせが終わった後も仕掛けや表現がどんどん加わっていったという結構稀にみる充実感だったかなと。
 
る:楽しかったよね。楽しかったというか、思わずみんなで大爆笑してしまってその後の読みに支障が出るぐらい笑い転げたりとかそういうシーンがあるんですよ、恋愛ドラマとは言え!(笑)
 

ア:ははは(笑)
 

る:今回記憶をテーマにしたんだけど、そういうシーンを見たことあるというか、すぐそこで起きたことだよねとか、自分も経験したんじゃないかみたいなリアルさ、人と人との関わりを感じられるような作品だなと感じています。
 

ア:そうだね。皆さんの記憶、思い出の中にあるような既視感というか、そういう描写は確かにいろんなところに散りばめられたんじゃないかと思います。

 「その劇場の名は」では各作品に主題歌があり、「柔く光る」の音楽をそると(白杇/シオ)さんが担当してくれました。
完成音源を聴かれた上で、音楽に関する印象や感想などを教えてください。

ア:そうですね。そるとさんは冒頭に話題にでた#S24Hでご一緒していたこともあったのでやっぱり期待感を持っていました。
出来上がった音源を聴かせてもらったんですが、こだわりをすごく詰め込められて、原曲がある曲だけれど自分色に染めてくれているし、音の厚みもあって「さすがだな」という一言というか、感動しましたね。 
もうこれは「柔く光る」という作品を読んでもらってから作ってるのかと思うぐらい(笑)色合いが褐色というか、そういう印象を抱きましたね。

今回、企画制作にるいが関わっていて、るいが主催なので、やっぱり音楽についてもすごくしっかりやられているというか、 自分のこだわりを持っている方々が各チームにいらっしゃって、そのチームの作品に見合ったこだわりの詰まった音楽があるのでそこは聞きどころというか、期待が集まるところかなと。

編集はかにひな制作所のひなたさんを指名してお引き受けいただいたきましたが、お二人、すごく楽しそうに制作をしていますね。

ア:そうですね。ひなたさんも編集に関してすごくご経験があって「多分このシーンならこういうことだろう」とひなたさんも各シーンを映像的に見られているなと思いました。僕たちが話す中でお互いが「いや、ここにはこれがあるんです」とか、 「ここにこれを入れてみようよ」とか、お互いがお互いに材料を持ち寄って、 作品作りをしています。
なので、ただの足し算じゃなくて、掛け算しながら「それもいいね、これもいいね」と言いながら、編集を何回も変えて変えて変えてやっているので、率直に楽しいです。
 

る:編集に関する話しについて、内容の密度が高いというか、私自身も編集の過程はこれまでちらっと見てきたこともあるし、今までは音楽家としてBGMを提供するという立場だったけれど、今回企画主催者として制作のやり取りを見させてもらっていると、こんな風に編集さんとアプローチしているんだなと勉強になりました。
ただ音を繋げるだけじゃなく、作品づくりの肝になる部分を編集の方は担ってくださっているんだなとも思うし、 制作の舵・指揮をとっているのは、やっぱり書き手の人たちなんだなと思うし、 声劇づくりの大変なところでもあるけれども、楽しい部分でもあるし、1番熱い部分なのかなという気もしています。
 

ア:そうですね。書き手のモチベーションというか、その書く上でのモットーはそれぞれあると思うんですけど、私の場合はやっぱり頭の中にある映像をいかに鮮明に、 聞く人にとってもノンストレスで、すっと聞き入れてもらえるかという部分を高めていきたいというか、「もう時間終わっちゃったの!?」と聞き手に思ってもらうことを期待して…
なんかそれしかないですね。そのためにはやっぱり自分だけの力よりもみんなでどんどん、どんどん力が加わえていきながらいいものが作れればっていうところでもいて。
うん、楽しんでいます! 

共催として、他チームの制作状況や音源もチェックしていらっしゃいますが、ご自身が書き手だったからこそ他3チームについてどんな印象を持ったか、どんな風に感じたか、面白かった点などがあれば教えてください。

ア:今回の演者さんについて、私もいろいろと意見を出させてもらった甲斐もあり、結構こだわりが強いメンバーがどのチームにもいるなと感じています。 

だから台本師さんもその作品を書くことに関して、1つ1つ理由付けというか、なんでこの描写なのかというのもしっかり根拠を持たれてるし、 だからこそ読み合わせでイメージと違ったらこうしてほしいと伝えているなと思いました。
そして、演者さんの中には自分で台本が書けるというような方もいらっしゃるので、なんでその見え方なのかを掘り下げるために解釈を聞くっていう、そういう連鎖、作品の中に理由付けをお互いにして確かめていくことが企画全体、各チームごとに起きていて、その度に作品が磨かれているなとひしひしと各制作場面で感じますね。 

なので出来上がった時のクオリティというか、オンエアで各作品が順番に流れていく時にその人の頭の中に映像がこう切り替わり続けていくだろうなと思うので、まさに映画館で作品を続けて見ているような、それぐらい洗練された作品が出てくるんだろうなと感じますね。 

オンエアに向けて意気込みや注目してほしいポイントがあれば教えてください!

ア:「その劇場の名は」という企画は台本もしっかり、演者さんもしっかり、あと音楽もしっかりとしたこだわりを持ったメンバーが揃って作品づくりをしています。

なので企画自体は一瞬で終わってしまうというか…作品にかけている時間はものすごくあるんですけどね!

当日オンエアを聴きに来ていただければ、今これだけ熱量を持って皆さんにメッセージをお伝えしてる意味が分かると思うので、 せっかくの機会をぜひ楽しんで聞いていただければと思います。

それぞれの表現者と熱い制作を経て完成された作品が上映される「その劇場の名は」は3月31日21:00よりSpoon Office lunaアカウントにてオンエアされます。

是非ご来場ください!