インタビュー #8
ひなたさん(かにひな制作所)

巧みな編集技術でリアリティ溢れる作品からポップな作品まで幅広く表現し、また自身も演技をすることで表現者、クリエイターから厚い信頼を得ているひなたさんへ、作品づくりやこだわりについて伺いました。

このインタビューの未公開シーンも収録されたその劇ラジオ#3も合わせてお聞き下さい!
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るい(以下る):ふたりで話をさせていただくのは初めてですね。

ひなたさん(以下ひ):そうですね。以前から(るいのことを)存じ上げてはいました。


る:私も以前別企画でかにひな制作所のかにみそ大将軍さんとご一緒させていただいていたので「ついに相方がきた」と。
 

ひ:ははは(笑)
 

る:最初はそんな印象だったんですけど本当に優しくて、フレンドリーで、そして何よりも作られている作品が素晴らしく、そんなひなたさんにお話を聞けることをとっても楽しみにしてきました。
 

ひ:はい。頑張ります!

 今回「柔く光る」(脚本・監督:アオヤギさん)という作品の編集で携わっていただきましたが、台本を読まれた第一印象や感じられたことをぜひ教えてほしいです。 

 

ひ:今回編集で携わらせていただくため、まず編集者目線で台本を読ませていただいたんですが、相変わらず綺麗な台本だなって思いましたね。確かそれが第一印象というか。 
1年前に一度、 アオヤギさんの台本を編集させてもらったのですが、その時にもすごく綺麗だなと思っていたので、相変わらずだなという感じはすごくしましたね。 

言葉選びが刺さるというか、そういう言葉を選ぶことが アオヤギさんは得意なので、 それもそうですし、編集者として見た時にはっきり映像が見えるというか、 情景が見やすい台本を書かれるので、とても自分好みな台本だなと思いました。
 

る: アオヤギくんにもインタビューをさせてもらったのですが、彼の中でも物語を文字を起こした時に「映像的に」というワードが出てきていたので、きっと アオヤギくんに思い浮かんでる映像が台本を通じてひなたさんにも届いているのかなと思いました。
共通ワードとして「映像的」というところが出てきているのがすごく興味深いなと。
 

ひ:そうですね。ちょうど1年前に一緒に作品を作った時も アオヤギさんの作風はジブリや新海誠監督の作品のイメージがすごくあるなって思っていて、やっぱああいう方の映画もすごい映像が綺麗なんですよね。 
アニメの中でもすごく綺麗な映像なんですけど アオヤギさんの台本ってそれに近いので。
 

る:メインのキャラクターに対するフォーカスというよりかは、全体の背景だとか情景とか、グラフィック的なイメージというものがすごく立体的というか。
 

ひ:そうですね。多分、そこを思いながら書かれていて、割と僕もそういう編集が好きで。
なので、台本として アオヤギさんの作品はすごく好みの台本が多いなと思いますね。 

 

「柔く光る」という作品はその劇場の名でも出演者が多い作品で、メインアクターとして、唖さん、咳き込んだチャパ王さん、サブアクターにはるいとひなたさん、そして脚本のアオヤギさんも登場しています。

読み合わせがすごく楽しかったという記憶がありますが、読み合わせや制作の中で印象的だったこと、ワクワクしたこと、楽しかった部分があれば教えてください。 

 

ひ:そうですね。印象として僕は普段演者もするのでメインキャストの役を自分でもやってみたりしていて、今回も読んでみたのですが、僕にはできないことをチャパ王さんがされていて。自分がやろうとしてもできないなという表現をチャパ王さんはすっとされていたので、「さすがだな、すごいな」と思ったのと、 あとはチャパ王さんが長く喋るシーン、セリフが長いシーンがあって、 そこは結構大変そうだなと思っていました。 

唖さんは読み合わせを重ねるごとにすごく役に入られていて、 1回目より2回目、2回目より3回目と、聞いているだけでもどんどんどんどん入っていったので、聞いていてめちゃくちゃ楽しかったですね。
 

る:なんていうか、割と等身大の年齢感だと思うんですよ、2人。
 

ひ:うん、そうですね。
 

る:でもやっぱり違う人ではあって、本当に2人が2人なんですよね。 

2人の心が踊っている部分や愛を感じる部分、逆に苦悩とかマイナスな感情の部分が短い作品の中にぎゅっと声で表現してくださって入っているなと感じています。

あと、助演のキャラクターが出てくるシーンはかなり楽しかったですよね!
 
 ひ:あれは、そうですね!(笑) 

多分アオヤギさんが楽しみたいだけだろうなっていう感じが(笑)

る:ははは(笑) 


ひ:1番最初に台本読んだ時に「あれ?なんか僕の名前出てきてるな。これどういうことだろう」と思って。
でもやりますよとなって アオヤギさんからそのシーンの音源が届いた時に「なんかめちゃくちゃ仕上がってんな」と思って、 さすが楽しんでるよねって思いました。
 

る:唖ちゃんはゲラゲラ笑っていて、多分チャパくんが1番辛かったと思います(笑)
どうしても役柄的に結構重いではないけれど真面目なところがあって、色々な感情を抱えているっていうキャラクターではあったと思いますし。

私もすごく楽しく演技をさせていただいたし、是非細かい部分まで、耳からいろんな音が楽しめることが「柔く光る」ならではだと思うので注目してほしいです。 


編集をされて大変だった部分、難しかった部分はありますか? 

 

ひ:台本に書かれてない情景描写の中で、僕が思う情景とアオヤギさんが思っている情景のすり合わせなどをしていったのですが、見どころにもなるかなとは思うんだけれど、情景描写のために聞かせる部分があるので、 アオヤギさんが思っているものを音で作ることがやっぱり難しいなと感じる部分がありました。
 

る:すごくさらっとおっしゃっているんですけど、頭の中にあることを言葉ではなくて音に変えるってすごく難しいことだと思うんです。

だってその映像があるわけではなくて、言葉しかないわけですよ。 

その中でお二人、そして作品にカチッとハマるような音、しかも音もただはめるんじゃなくて、編集技術を用いて表現されていて。 

編集音源が届いた際、最初のシーンで度肝を抜かれました。 

そこから物語が進む中で楽しいシーンもあれば、シリアスな部分もあるし、結構場面転換も多いかなと思うのですが、ひなたさんの技術とこだわり、いろんなものが詰まっているし、届いたデータに対して アオヤギくんが「いや、もっとここはこうしたらより良くなるのでは」という提案を重ねながら更に作られていて、本当にすごく高いレベルだなと思いましたね。
 

ひ:いや、ありがたいですね。
僕は台本書いてないじゃないですか。
多分、正解の映像は アオヤギさんの頭の中にあるので、台本だったり打ち合わせの中でその映像を少しでも聞き出して、自分の頭の中でも同じような映像を考えて、同じ解像度まで高めていく過程は大変だったなと思います。
けれど、 アオヤギさんのイメージは元々僕が好きな編集や作り方に似ていることもあり、イメージしやすい部分もありました。
 

オンエアに向けて意気込みや注目してほしいポイントがあれば教えてください!

ひ:作品自体決して短い作品ではないのですが、聴き始めるとあっという間に終わるかなと思っています。
元々編集としても空間を作ることがすごく得意な部分でもあるので、出来れば両耳でイヤホンをして、その作品の中に一緒に入っていただけると、その人物がいるというか、世界が広がるかなとは思うので、 その作品・時間を堪能していただけたらなと思ってます。 

る:どうしても声劇はメインキャストや声が注目されがちかと思うのですが、ひなたさんのような編集者の方や、加えて今回音楽もあるので、1つの作品を構成している様々な要素に注目しながらぜひ聴いていただければ嬉しいなという風に思っています!

「映像的」な音表現への熱いこだわりを見せ、作品に詰め込んでくださったひなたさん。渾身の音源が披露される「その劇場の名は」は3月31日21:00よりSpoon Office lunaアカウントにて上映されます。

是非ご来場ください!